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中高生の矯正症例

中高生の矯正症例 Y.Kさん治療記録

矯正に際しては痛い思いもしたようですが、治療中はいつも笑顔で「大丈夫!」とこたえてくれていました。爽やかな笑顔で自分の考えをはっきり話してくれたのがとても印象的です。

Y.Kさんの治療概要

彼女は、永久歯が並ぶためのスペースが足りず、歯茎に埋まったままの歯(埋伏歯)が数本あり、治療期間が非常に長くなってしまいました。

歯と歯列の大きさにアンバランスが生じると歯並びががたついてしまいます。Y.Kさんの場合、一見がたつきは少ないものの、スペースが不足したことで右上犬歯と右下奥歯が骨の中に埋まったままになっています。

このままでは歯並び、噛み合わせの機能、虫歯リスクの高まりなど様々な問題が起こってしまいます。

とくに右上の3番目(犬歯)は非常に深い位置に埋まっており、自然な萌出を期待していたのですが、なかなか降りてきません。そのため、引っ張り出すことができない恐れがあります。そこでご本人とご両親に、この犬歯を含めて数本の永久歯を抜歯する方法もご提案しました。

ただY.Kさんは、当時受験も控えていたこと。またできる限り永久歯を抜歯したくない、というご両親の考えもありました。

そこで埋まったままになりそうな右上犬歯と、右下奥歯のスペースの確保から開始することにしたのです。

治療経過①

装置をつけて右上犬歯と右下奥歯が出やすい環境をつくる

ご紹介の症例写真は、右上犬歯と右下奥歯が出やすい環境をつくる際のものです。

歯列を拡大すると、前歯は少しずつ外側に移動します。Y.Kさんによるとその影響もあって、当時は特に下唇の口内炎に悩まされた、ということでした。

通常当院では、装置が唇や頬に当たる場合は、ワックスでカバーしてもらいます。ただY.Kさんはすぐに口内炎ができてしまうため、「アフタッチ」というシールタイプの口内炎治療薬を使ってもらうことにしました。

埋まっている歯を引っ張り出すときはどうしても痛みを伴う

歯茎の中に埋まっている歯を引っ張り出すにはどうしても痛みを伴います。調整後しばらくの間は痛み止めの服用が必要になることもあります。

実際Y.Kさんも、ワイヤーを替えて2~3日は、「学校で食べるお弁当の卵焼きや白ごはんですら、痛くて食べれないほどだった」と話されていました。

他にも、奥歯を後方へ引っ張る際にワイヤーが奥に飛び出し、頬に刺さってしまうこともあったようです。

治療経過②

スペース不足で歯が埋まっている場合はスペースを確保して対処

埋まったままになっている原因がスペース不足であれば、そのスペースを確保することで引っ張り出すことは可能です。

ただ人によって、周りの骨に引っかかっていたり、骨と癒着している場合もあります。この様な場合は牽引に時間がかかったり、引っ張り出せないことも…。

ただ幸いなことに、Y.Kさんの治療では無事引っ張り出すことができました。

右上の犬歯を引っ張り出すことに成功したY.Kさんでしたが、その代償として治療期間は長くなりました。同時に患者さんご本人は、かなり痛い思いをされたそうです。

とくに歯茎に埋まっている歯を引っ張っていた時期は、ご両親に心配をおかけしましたが、K.Yさんは診察の際にはいつも笑顔で大丈夫と言ってくれました。担当医として、その笑顔に救われたのを思い出します。

親知らずの抜歯など矯正治療では必要に応じた対処を行う

以上の経過を経て、歯を正しい位置まで誘導することができました。
Y.Kさんの下奥歯が倒れてしまった原因の一つに、親知らずの影響が疑われます。
骨の奥深くに埋まっている親知らずの抜歯には、痛みだけでなくお顔の腫れなども起こりやすくなります。しかし歯並びを維持するためにも抜歯は必要です。

今回の治療では、上の「親知らず」は後ろ向きに埋まっていたのでそのままにしましたが、下の「親知らず」は抜歯して対処しました。

彼女にとって矯正治療は、長くつらい思いもあったと思います。けれど治療を終え、装置を外し終えた時。整った歯列を見て、喜んでいる姿を見た時。担当医として、安堵する思いでした。

主訴 叢生
診断名 Angle Class I 叢生
初診時年齢 8歳4か月
装置名 マルチブラケット装置
抜歯非抜歯 非抜歯
治療期間 7年7か月(一期治療、二期治療合わせて)
費用の目安 約91万円+消費税(検査料金、都度の処置費用等も合わせた総額)
リスク副作用 歯の移動に伴う軽微な歯根吸収、歯槽骨吸収、歯肉退縮(いずれも本症例ではほぼ無し)、矯正器具装着中のカリエスリスク増大(本症例では大臼歯にカリエスが発生し、その後う蝕処置)

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